Dec 15, 2018

"603 UD Glass Prototype 2" 6 feet 3P #2 LINE For Sale

"603 UD Glass Prototype 2"  6 feet 3P  #2(1-2-3) LINE 

For Sale:47,000円(税、送料込み価格)1本限定





このロッドはこの秋の発売した3種類の6フィートロッドからは除外したのですが、個人的には今回の6フィートロッドを製作する過程で作った何種類ものプロトタイプの中ではいちばん好きなものでした。

製品としての発売をためらった理由は、このロッドはUD-GLASS独特の軽くしなやかな、そして粘りをもった負荷に敏感な特徴がよく出た玄人好みというか融通無碍なロッドですが、それゆえに性格がすこしわかりにくい、ある意味むずいロッドだったからです。
使いこなすことができれば、それこそオールラウンドに使えるおもしろいロッドなのですが、ラインへ掛ける負荷をスムーズかつ自在にコントロールできる技術がないとその特徴を引き出せない可能性があるのです。

身体がラインへ加える負荷とその重みをつねに感じながらフライラインとロッド、そして手首から腕を一体化したムチとしてラインを伸ばしてフライを置いていくようなキャスティングを要求するロッドで、「物を投げる」といった感覚のキャストでは使いこなせないロッドだと思います。
その反面、使いこなすことさえできれば普通のキャスティングからサークルキャストやアンダーループやスペイ的なキャストなど、キャスティングのスタイルを選ばずにおもしろいように自在にラインを操れるロッドでもあります。




対象魚や釣り場と釣り方の状況に応じて #2ラインを中心に前後1番のフライラインは十分使いこなせるロッドです。
ショートロッドに慣れた方なら、通常の渓流域ではこのロッド1本ですべてをこなせるということもできます。
また、河川域のオイカワや湖沼のブルーギルなどの釣りにも『硬すぎず、柔らかすぎず』に十分楽しめる強さのロッドだと思います。






"alchemy 603 UD Glass Prototype 2"
6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) :フルトルザイトガイド仕様 ※45g
標準仕様完成品価格:62,000円(本体57,408円+税)
トルザイトガイド仕様:67,000円(本体62,038円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。


開発テストに使用した個体なので、
お値段はこの1本限定で特別価格の47,000円(税、送料込み価格)です。
※傷等もなく、ほぼ新品同様です。



Oct 18, 2018

Alchemy Dhyana. The second test is also completed.

alchemy dhyana 603 type 2 

スペックは、 6ft 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g

でどれぐらいのサイズの魚をキャッチできるか、荒雄川と会津大川のニジマスで試してみました。


ドライフライへの反応が悪かったので、インディケーターを使ったニンフのリグをキャストするためにフライラインはDT-3-Fを使用しました。

インディケーター+ウエイト+ビーズヘッドニンフ+リードフライという長いリグをショートロッドで縺れないようにキャストするために、キャスティングは通常のオーバーヘッドキャストやロールキャスト系ではなく、サークルキャスト系のいわゆるベルジャンキャストを主としています。




一連の釣りの過程を繰り返しているうちで、このロッドは6フィートのショートロッドとは考えられないほどラインのメンディングがしやすいことがわかりました。
ロッド全体がしなるように設計したアクションとグラスブランク特有の低弾性が生み出すラインコントロール上でのメリットでしょう。

リグですが、最初は5X(0.8号)のティペットを使用しましたが、居付きのマスの流芯に入ってのランを強引に止めようとして切られたので、以降は4X(1号)を使っています。




もともと2番ライン用に設定したロッドなので、このようなマスを釣ることまでは考えていなかったのですが、ロッドの強度とバットのトルクがどうなのかを実地で検証するためにあえてニジマス釣りに使ってみたところ、想像を超えたすばらしい結果を得ることができました。
Eグラス自体はかなり前からある旧い素材なのですが、最近の樹脂とのコンポジットによる反発特性はショートロッドには最適なものです。





特筆すべきは、しなやかにグリップの中まで曲がり込んでも粘り続けるトルクと、そのときにロッドにブレが生じないので、魚のコントロールがしやすいところでしょう。

ティペットを4Xに変えてからは、おそらく掛かりどころが悪くてフックオフしたケースがいちどあったものの、18番のフックでこのサイズのニジマスを7匹連続してランディングしていますので、硬質で高反発なグラファイトロッドとは違って、このグラスロッドは魚の動きに柔軟に追従する反発特性から、魚の暴れでフックを弾いたり、フッキングした場所の針穴が大きくなって外れたりというケースがかなり少なくなるようです。

ロッドが短く軽量なので体力的な負担も軽く、軽快に釣りができることもメリットでしょう。

このロッドは結果的にライトタックルの短いロッドで大物を狙うという、リー・ウルフ的な釣りに最適なロッドとして出来上がったようです。
かといって、昔の「ファーロー・ミッジ」や「ガルシアのリー・ウルフロッド」、「ペゾンのフェザーウエイト」のように、パワーを優先した小負荷では曲がりにくい、たとえるなら棒のように感じるロッドではなく、あくまでも「しなやかな2番ロッド」だというところに現代のグラスロッドの進化を感じて頂けると思います。

同じグラスロッドとはいえ、素材も、ロッドブランクを設計、製造する技術も、あきらかに進歩しているのですから。




"alchemy dhyana 603" type 2 :
6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g

標準仕様完成品価格:60,000円(本体55,556円+税)
トルザイトガイド仕様:65,000円(本体60,186円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。
ブランク価格:23,000円(本体21,297円+税)


Aug 7, 2018

alchemy dhyana 603 & Alchemy Dharma 603 "OIKAWA"


プロジェクトは、1本の "GLASTECH RAPIER" から始まった。







Alchemy Tackle Glass Rods の新製品は6フィート3ピースのグラスロッドです。
それも微妙にスペックの異なった3種類を同時に発売することにしました。

アルケミータックルのような小さなメーカーにとっては同じ長さでよく似たスペックのロッドを同時に発売するなんて、販売戦略から考えるとバカみたいな話なのかもしれません。
本来は6フィートのグラスロッドを1本発売するつもりで試作していたのですが、試作したプロトタイプブランクをロッドに組み上げて、それぞれについてキャスティングのテストをして試釣を繰り返しながらブランクの取捨選択を進めていく過程で、どうしてもこの3本が自分で使うために欲しくなってしまったのです。
そんなわけで、無謀にも同時に発売することになったのが以下の3本です。



alchemy dhyana 603 type 1 : 6' 3P #1 LINE (0-1-2 line) ※44g
alchemy dhyana 603 type 2 : 6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g


alchemy dharma 603 "OIKAWA" type 1 : 6' 3P #1 LINE (00-0-1-2 line) ※38g


ここからは、これら3本のロッドを開発するに至ったその経緯の話です。

その発端は私が1本のグラステックを手に入れたことに始まります。
そのロッドは、6フィートのレイピアで、おまけにかなりレアなワンピースロッドでした。
ブランク上に 60 1 1.34 との表記があるので、6ft 1pece 1.34oz という意味でしょう。
適合するラインは実際に使ってみたところでは#2~#3という感じでした。
これが実にいい、ステキなアクションなんですよね。

グラステック "GLASTECH" とは、かの名匠ラス・ピークがグラスロッドの製作を止めた後、グラス・フライロッドの頂点に君臨していたデニス・フランキー("Dennis Franke"が本名ですので、デニス・フランクの方がいいのかも)のブランドです。
そのグラステックも2000年代の半ばにはグラスロッドの製作を止めています。
そのグラステックには レイピア "Rapier" と パラメトリック "Parametric" という2つのシリーズがあって、パラメトリックはパラボリック寄り、レイピアはプログレッシブ寄りのセミパラにそのアクションは設計されているようです。
私は基本的には4番以上のラインを使うロッドでこそパラボリックアクションはその本領を発揮すると考えていますので、2~3番という軽量なラインを使うこの6フィートのレイピアは、私にとってまさに理想のロッドでした。
ただ問題は、このロッドはワンピースなので持ち運びや保管にかなりの難があるということです。

シンプルに考えると、このロッドを3本か4本にぶった切ってフェルールを付けてマルチピース化すればいいのですが(デニス・フランク自身も、当時のブランクの製法から考察すると、ワンピースのブランクを任意に切断してマルチピース化しているはずです)、いまとなってはユーズド品しか手に入らないレアなロッド、それも15万~20万というべらぼうな価格のロッドを切断することにはさすがに躊躇しますよね。

そこで、これまでアルケミータックルとしてグラスロッドを開発した経緯と、今回もあたらしくロッドを開発するための心強い協力を得られたこともあり、このレイピアのコピーロッドをマルチピース化して作ろうという計画が始まりました。

グラステックのブランクは振ったときの感触から判断するとEグラス素材のはずです。
そこでレイピアのコピーを製作する素材としてオリジナルと同じEグラスを選択し、サンプルと同じベンディングカーブが得られるようにそのテーパーと肉厚を設計するわけですが、そこはオリジナルからのデーターの取得から、あらたに3ピースのブランクとして設計を起こすまで、そのすべてをプロの職人さんにおまかせしています。

オリジナルのサンプルがあるロッドとはいえ、新にいちから設計を起こす手間はまったくのニューモデルを作る場合と同じです、いや、オリジナルのデータを拾い上げるという手間が余計に掛かるのですね。そこでせっかくデータを拾い上げるのでそれを有効に利用するために、この1本のロッドをベースとして複数のモデルを試作することにしました。

ひとつは、オリジナルとできる限り同じ物を3P化したブランク。
もうひとつは、ロッドの適合負荷をライン番手で1番落としてより繊細にしたブランク。
これらの2種類のブランクは、オリジナルのグラステックと同じEグラスを素材としています。そしてバリエーションとして、上記のブランクの素材をEグラスからUDグラスに変えたものが2種類。合計4種類のブランクの試作を同時進行させたわけです。

一号試作でOKを出せたブランクや、求めるイメージと違って試作を重ねたブランクがあるのですが、結果的に自分の中で製品化するだけの価値観を持ったブランクが4種類出来上がりました。

603 E Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
603 E Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE

603 UD Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
603 UD Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE

その中で、レイピアと同質のフィーリングを持ったブランクはやはり同じ素材であるEグラスを使った2種類のブランクでした。オリジナルと同じEグラス素材をブランクに使ったブランクは、オリジナルのレイピアをスリーピース化したと言ってもいい、すばらしいロッドとして出来上がりました。グラス素材独特の重さを持ったしなやかさでラインをコントロールするロッドとでも言えばいいのでしょうか。

素材が変わると同じテーパー設計をしても、振ったときにあきらかに違うフィーリングを持ったブランクが出来上がってくるのです。
素材が違えばそれを使った製品も変わる。当然といえば当然のことです。
UDグラスを使った2本は、オリジナルよりも軽く、より敏感に、よりしなやかなロッドになりました。こちらはしなやかに撓るムチのようなフィーリングといってもいいかと思います。

この4本の中でどれを製品として市販するかには悩みました。
私が持っているオリジナルのレイピアそのものといってもいいのは、
603 E Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE です。
それをベースにラインにして1番手パワーを落とした
603 E Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE も、レイピアに1番ロッドがあればこんな感じだろうな、と思わせてくれるロッドです。
この2本は、オリジナルに敬意を払うためにも製品化して市場に出そうと決めました。

問題はUDを使った2本です。
かなり悩んだ末、よりしなやかな方を製品化することにしました。

パワー的には強い方から、
603 E Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE
603 E Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
603 UD Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
と並びます。

Eグラスの#2は#3ラインも十分使え、渓流や源流域の釣りにも最適なオールラウンダー。
Eグラスの#1は河川から渓流域までの繊細な釣りに。
UDグラスの#1は、0番ラインまでが実用範囲でしなやかだけどパワーもある不思議なフィーリングを持っています。
ただ、アクションは言葉では説明しづらいので、実際にラインを通してキャストしたり、実際の現場で使っていただくことが一番だとは思います。

特筆すべきは、この3本はどのロッドも特にテクニックを必要とすることなしに軽量ラインをごく普通のフライラインのように扱えるということです。


今回新しく作ったEグラス素材のロッドには、サンスクリットで「ディヤーナ」 "dhyana" と名付けました。漢字で書くならば『禅』です。

UDグラス素材のロッドは、これまで通り「ダルマ」"Dharma" です。



"alchemy dhyana 603" type 1
6' 3P #1 LINE (0-1-2 line) ※44g


"alchemy dhyana 603" type 2 :
6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g

標準仕様完成品価格:60,000円(本体55,556円+税)
トルザイトガイド仕様:65,000円(本体60,186円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。
ブランク価格:23,000円(本体21,297円+税)

"Alchemy Dharma 603 OIKAWA" type 1
6' 3P #1 LINE (00-0-1-2 line) ※38g

標準仕様完成品価格:62,000円(本体57,408円+税)
トルザイトガイド仕様:67,000円(本体62,038円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。
ブランク価格:25,000円(本体23,149円+税)


※基本価格のカスタムメイドロッドで使用するパーツは、下記の通りです。



グリップ : フロアーグレードコルク(1/2インチ×10個、ロッドエンドはハードラバー)
リールシート : オリジナルアップロック         
                     金具は「中島保美鋳金工芸美術研究所」製、ブロンズ
ラッピング : 西陣正絹糸


※カスタム仕様は、別途お見積もりさせて頂きます。
※"alchemy tackle" (トルザイトガイド)標準仕様の自重です。


Jun 15, 2018

"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" Custom Rod

"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" 5'8" 3P #5-6 Line Custom Rod






"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" 5'8" をお客様に御注文頂いた仕様で組み立てました。


ポール・ヤングタイプのシガーグリップに、リング&リングのリールシート。
ガイドは、国産ハンドメイド「クリスタルガイド」と、「Snake Bland Universal Snake Guides - ECOating」

いわゆる、スタンダードなフライロッドの仕様です。
ここしばらくは、オリジナルのアップロックリールシートとトルザイトガイドを使ったロッドばかり作っていたので、久しぶりで新鮮でした。

ポールヤングのデザインは、ひとつの完成されたスタイルだし、個人的に好きなカタチなのでステキですね。 



  













Jun 6, 2018

"Alchemy Dharma 603 OIKAWA" debut !

Alchemy Tackle Glass Rods の新製品 "Alchemy Dharma 603 OIKAWA" 発売します。






今回発売する "Alchemy Dharma 603 OIKAWA" は、UD-E-Glass ブランクを使用した、全長6フィート、スリーピース仕様のショートロッドです。

ブランクは UD-E-Glass アンサンド仕上げ。
ナチュラルホワイトのブランクにトランスルーセントブラウンでコーティング。

UD-E-Glass (Unidirectional E-Glass) のブランクを使用したロッドには "Dharma"
E-Glass (Woven E-Glass) のブランクを使用したロッドには "dhyana" というモデルネームを付けています。

ロッドアクションはよりなめらかにバットに入るプログレッシブ。
先に発売した "dhyana" と似たウイークポイントのない連続したスムースなアクションのロッドで、軽量ラインでもその重さを手に感じながらフライラインを自在にコントロールすることができます。

#1ラインの使用を前提としたスペックなのですが、このロッドの特性から、釣り場の状況やキャスターの好みで、その設計のベースとなったラインウエイトの前後のラインも気持ちよく使うことができます。使用するフライの大きさや、流れや風などの状況に合わせて使い分けて頂ければと思います。
どちらかと言えば "type 1" は軽量ラインに慣れたエキスパート向きのロッドですが、軽いラインでもそのライン負荷を手に感じやすいので、決して難しいロッドではありません。

先に発売した "alchemy dhyana 603" type 1 と比較すると、こちらの方がより軽量かつしなやかなアクションになっています。

E-Glass と UD-Glass はどちらが優れているかという比較ではなく、素材の特性によって違う感触のロッドができると考えて頂いた方がいいと思います。
両方の素材で同じ硬さのブランクを作った場合、E-Glass の方が重いので、その自重に影響される動的モーメントを加味したアクションになるわけです。
ロッドがより長く、より高番手のラインを使う仕様となると、その素材の重さによるデメリットの方が大きくなるのですが、全長が短く低番手のラインを使う設定だと重さによるデメリットよりも重さがあることによるオートマチックな感覚が特徴になります。

この6フィートのショートロッドの試作をするまでは、E-Glass よりも UD-Glass の方が明らかに優れていると考えていたのですが、このロッドの開発過程で逆に E-Glass の特性に目覚めたわけです。

あくまでも感覚的なものなのですが、UD-Glass の方が操作に敏感で自由度が高い反面、操作やタッチに正確さが要求されるように感じます。ひとことで言えば玄人受けしそうなタイプです。



ロッドスペックは、
"Alchemy Dharma 603 OIKAWA" type 1 : 6' 3P #1 LINE (00-0-1-2 line) ※38g

※"alchemy tackle" 標準仕様の自重です。


標準仕様完成品価格:62,000円(本体57,408円+税)
トルザイトガイド仕様:67,000円(本体62,038円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。
ブランク価格:25,000円(本体23,149円+税)


8月下旬に、20本入荷予定。
※ご予約受付中です。



最終的な開発テストに使用したロッドの現物、
"Alchemy Dharma 603 OIKAWA" type 1 を現品限りで即売いたします。
※製品化したブランクと同じスペックのブランクを使用、商品写真に写っているロッドです。 
Sold












Jun 5, 2018

"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" debut !

"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" 5'8" 3P #5-6 Line を発売します。



"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" フルトルザイトガイド仕様、ライトブラウンラッピング

"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" 5'8" 3P #5-6 Line


このロッドは、フルパラボリックアクションの 5'8" 3P #5-6 Line と、あまりにもマニアックなスペックなので私が使うためだけに組み立てた自家用モデルだったのですが、3年間の実釣を経て、
「やっぱり、コレっていいロッドだよね、他の釣り人にも使ってもらいたいな」
というわけで、本数限定の定番モデルとして発売することにしました。

ブランクの素材には "UD-E-Glass" を使用しています。

マニアックなスペックという理由は、このロッドは一般的に使われている8‘~8’6"のバス用フライロッドよりもはるかに短くかつ軽量なこと。
ショートレンジでピンポイントを狙うロッドに特化しているといういことです。
ブランクにはパワーの伝達特性に優れたUDグラスを使用しているので、キャスティングは極めてスムーズで正確です。

そして一般的には「ギル用」だと思われている5~6番ラインの使用を前提としています。
キャスティングの実用レンジはヘッド長+α程度、使用するフライも#2以上の重く大きな物はバックキャストで水面を叩きがちになるので、ごく近距離でしか使い物にならないと思います。

フッキングしてからはショートロッドなので取り回しがよく、UDグラスの追従性もいいのでやり取りがしやすく、またバレにくいので、50㎝クラスのバスにも余裕を持って対応できます。
さすがに棒のような強引な硬さには縁がないので、ヘビーカバーでの巨バス釣りには向かないと思います。

ウォームウォーター独特のシルトや有機物が混ざる水域での使用が前提ですので、このロッドには摩擦抵抗の少ない「フルトルザイトガイド仕様」をお勧めいたします。



"Alchemy Dharma 583 Bass & Gill Special" 

5'8" 3P #5-6 Line ※48g

※"alchemy tackle" 標準仕様の自重です。


標準仕様完成品価格:58,860円(本体54,500円+税)
フルトルザイトガイド仕様:64,260円(本体59,500円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。

※カスタム使用は、別途お見積もりさせて頂きます。

ブランク価格:20,000円(本体18,519円+税)













トップまでフルトルザイトガイドです


ロッドエンドは、ブラウン系のねじり飴のような模様のハードラバー



May 24, 2018

"alchemy dhyana 603" debut !

Alchemy Tackle Glass Rods の新製品 "alchemy dhyana 603" 発売します。





今回発売する "alchemy dhyana 603" は、E-Glass ブランクを使用した、全長6フィート、スリーピース仕様のショートロッドです。

ブランクは E-Glass アンサンド仕上げ、トランスルーセントブラウンコーティング。

"dhyana" というネーミングは "dhyāna"(ディヤーナ)というサンスクリット語からとりました。
『禅』という言葉の元になった『禅那』の語源です。

ロッドアクションはなめらかなプログレッシブ。
ウイークポイントのない連続したスムースなアクションのロッドで、軽量ラインでもその重さを感じながらラインを自在にコントロールすることができます。

基本的には#1ラインと#2ラインの使用を前提としたスペックの2本ですが、このロッドの特性から、釣り場の状況やキャスターの好みで、その設計のベースとなったラインウエイトの前後1番のラインも気持ちよく使うことができます。
どちらかと言えば、"type 1" は清流向きの、"type 2" は渓流や源流向きのロッドです。


ロッドスペックは、


"alchemy dhyana 603" type 1 : 6' 3P #1 LINE (0-1-2 line) ※44g


"alchemy dhyana 603" type 2 : 6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g


※"alchemy tackle" 標準仕様の自重です。


標準仕様完成品価格:60,000円(本体55,556円+税)

トルザイトガイド仕様:65,000円(本体60,186円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。

ブランク価格:23,000円(本体21,297円+税)



8月1日現在、type 1、type 2、共に、ブランクは即納可能です。




最終的な開発テストに使用したロッドの現物、
"alchemy dhyana 603" type 1、type 2、各1本
を現品限りで即売いたします。

※製品化したブランクと同じスペックのブランクを使用、商品写真に写っているロッドです。

type 1 : Sold
type 2 : Sold











May 1, 2018

Alchemy “Dharma 603” 6 feet 3 piece rods "Prototype" #0~#3 LINE




Alchemy “Dharma 603”  6 feet 3 piece rods  "Prototype" #0~#3 LINE



昨年、居を伊賀に移してからは遠出をせず近所の川や池で釣りをすることが増えました。

伊賀周辺の川にはアマゴ以外に鯉科の小魚たちも住んでいて、それに合わせてこれまでの大きなトラウトを狙う釣りから、小さめな魚を丁寧に釣る釣りへとその嗜好が変化してきました。

所有しているいろいろな竿を使って近くの川で釣りをしているうちに、それらの竿のそれぞれに一長一短を感じるようになり、ひさしぶりに自分の竿を創りたくなりました。

その頃ちょっとした偶然から、デニス・フランキー("Dennis Franke"が本名ですので、デニス・フランクの方がいいのかも)が過去に作っていたグラスロッド、グラステック・レイピア(レイピエ) "GLASTECH RAPIER" を手に入れました。

早速いつもの川で使ったのですが、この竿が凄く良いんですね。
ただ、このレイピアはワンピースロッドで携帯性に難があったので、持ち運びやすいようにせめてスリーピースにしたかった。
これが今回のショートグラスロッド製作プロジェクトの発端です。

原型となったオリジナルの "GLASTECH RAPIER" は、6フィートでワンピース、指定ラインは記入されていなかったのですが、振ってみた感じでは、おそらく2番のグラスロッドでした。
その濃い青緑色のアンサンドブランクは、推測ですが、Eグラス素材をステファンブラザースで巻いたものでしょう。

新にブランクを設計するのですから、そのついでに、オリジナルのベンディングカーブとテーパーデザインを利用して、オリジナルと同じ強さのものと、ブランクを全体的にすこし弱くして1番ラインで使用できるものとの2種類のスリーピースロッドを試作することにしました。
そして、お気に入りのUDグラスでも、同様に2種類、合計4本の試作を昨年から始めました。

Alchemy “Dharma 603 Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE E Glass
Alchemy “Dharma 603 Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE E Glass
Alchemy “Dharma 603 Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE UD Glass
Alchemy “Dharma 603 Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE UD Glass

上記4種類のブランクです。

その結果は予想通りというか、やはりオリジナルと同じEグラス素材をブランクに使った2本のブランクは、オリジナルのレイピアをスリーピース化したと言ってもいい、すばらしいロッドとして出来上がりました。



UDグラス素材で作ったブランクは、なんて言ったらいいのでしょうか、
オリジナルとはあきらかに違う、ヘンな言い方ですが、
「グラスロッドじゃないようなグラスロッド」
になったのです。
とてもすばらしいロッドなのですが、このロッドを振ったときに感じる手感はレイピアとはかなり異なるものでした。

このUDグラスの2本は、オリジナルよりも軽く、より敏感に、よりしなやかなロッドになりました。

そのかわり、今の段階ではまだまだ使い手を選ぶ「じゃじゃ馬」ロッドのように感じています。
このUD素材のブランクには、UDの特性に合わせて少しブランクのデザインを変更するとより優れたロッドになる可能性を感じています。
その可能性がある以上、UDグラスの方はもう少し試作を続けようと思います。

ただ、試作を繰り返してもそれがいまのブランクよりもよいブランクになるかどうかはわかりません。
ロッドの設計はデータだけではなく、実際に組み立ててラインを通して振ってみるまで、そのロッドの完成度はわからないからです。

今回の試作では、ガイドにすべて Fuji の最軽量 "TORZITE" ガイドを使用しました。

最初はフライロッドに一般的に使われているワイヤーガイドと同じぐらいの直径のガイドを使っていたのですが、試しにガイド径を落としていってもフライラインの滑りの良さは変わらないので、最終的にリングサイズ4.5の小径トルザイトガイドを使用しています。

そのメリットは、ワイヤーを使ったスネークガイドやカーボロイガイドとは比較にならないほどの軽さと滑りの良さにあります。
デメリットは、700円~1900円というその1個あたりの価格の高さと、伝統的なフライロッドっぽくない見た目を、ユーザーが受け入れられるかどうかです。



Eグラス素材のロッドは、#1 LINE 仕様と、#2 LINE の2本を、このプロトタイプロッドと同じ仕様で製品化する予定です。
ちなみに、どちらのロッドも指定番手プラスマイナス1番のラインは問題なく使えます。
昔の書き方で #0-1-2 LINE、#1-2-3 LINE、と書く方がふさわしいかもしれません。

弊ショップの標準的な仕様の完成品ロッドで、予価は税別本体価格で、58000円程度(スネークガイド仕様)と、63000円程度(トルザイトガイド仕様)を予定しています。
また、ブランクでも販売する予定です。







ブランクのカラーは、フラットブラックの素材の上にトランスルーセントブラウンでコーティングした、微妙で深いブラウンです。