May 24, 2018

"alchemy dhyana 603" debut !

Alchemy Tackle Glass Rods の新製品 "alchemy dhyana 603" 発売します。





今回発売する "alchemy dhyana 603" は、E-Glass ブランクを使用した、全長6フィート、スリーピース仕様のショートロッドです。

ブランクは E-Glass アンサンド仕上げ、トランスルーセントブラウンコーティング。

"dhyana" というネーミングは "dhyāna"(ディヤーナ)というサンスクリット語からとりました。
『禅』という言葉の元になった『禅那』の語源です。

ロッドアクションはなめらかなプログレッシブ。
ウイークポイントのない連続したスムースなアクションのロッドで、軽量ラインでもその重さを感じながらラインを自在にコントロールすることができます。

基本的には#1ラインと#2ラインの使用を前提としたスペックの2本ですが、このロッドの特性から、釣り場の状況やキャスターの好みで、その設計のベースとなったラインウエイトの前後1番のラインも気持ちよく使うことができます。
どちらかと言えば、"type 1" は清流向きの、"type 2" は渓流や源流向きのロッドです。


ロッドスペックは、


"alchemy dhyana 603" type 1 : 6' 3P #1 LINE (0-1-2 line) ※44g


"alchemy dhyana 603" type 2 : 6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g


※"alchemy tackle" 標準仕様の自重です。


標準仕様完成品価格:60,000円(本体55,556円+税)

トルザイトガイド仕様:65,000円(本体60,186円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。

ブランク価格:23,000円(本体21,297円+税)



8月1日現在、type 1、type 2、共に、ブランクは即納可能です。




最終的な開発テストに使用したロッドの現物、
"alchemy dhyana 603" type 1、type 2、各1本
を現品限りで即売いたします。

※製品化したブランクと同じスペックのブランクを使用、商品写真に写っているロッドです。

type 1 : Sold
type 2 : Sold











May 1, 2018

Alchemy “Dharma 603” 6 feet 3 piece rods "Prototype" #0~#3 LINE




Alchemy “Dharma 603”  6 feet 3 piece rods  "Prototype" #0~#3 LINE



昨年、居を伊賀に移してからは遠出をせず近所の川や池で釣りをすることが増えました。

伊賀周辺の川にはアマゴ以外に鯉科の小魚たちも住んでいて、それに合わせてこれまでの大きなトラウトを狙う釣りから、小さめな魚を丁寧に釣る釣りへとその嗜好が変化してきました。

所有しているいろいろな竿を使って近くの川で釣りをしているうちに、それらの竿のそれぞれに一長一短を感じるようになり、ひさしぶりに自分の竿を創りたくなりました。

その頃ちょっとした偶然から、デニス・フランキー("Dennis Franke"が本名ですので、デニス・フランクの方がいいのかも)が過去に作っていたグラスロッド、グラステック・レイピア(レイピエ) "GLASTECH RAPIER" を手に入れました。

早速いつもの川で使ったのですが、この竿が凄く良いんですね。
ただ、このレイピアはワンピースロッドで携帯性に難があったので、持ち運びやすいようにせめてスリーピースにしたかった。
これが今回のショートグラスロッド製作プロジェクトの発端です。

原型となったオリジナルの "GLASTECH RAPIER" は、6フィートでワンピース、指定ラインは記入されていなかったのですが、振ってみた感じでは、おそらく2番のグラスロッドでした。
その濃い青緑色のアンサンドブランクは、推測ですが、Eグラス素材をステファンブラザースで巻いたものでしょう。

新にブランクを設計するのですから、そのついでに、オリジナルのベンディングカーブとテーパーデザインを利用して、オリジナルと同じ強さのものと、ブランクを全体的にすこし弱くして1番ラインで使用できるものとの2種類のスリーピースロッドを試作することにしました。
そして、お気に入りのUDグラスでも、同様に2種類、合計4本の試作を昨年から始めました。

Alchemy “Dharma 603 Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE E Glass
Alchemy “Dharma 603 Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE E Glass
Alchemy “Dharma 603 Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE UD Glass
Alchemy “Dharma 603 Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE UD Glass

上記4種類のブランクです。

その結果は予想通りというか、やはりオリジナルと同じEグラス素材をブランクに使った2本のブランクは、オリジナルのレイピアをスリーピース化したと言ってもいい、すばらしいロッドとして出来上がりました。



UDグラス素材で作ったブランクは、なんて言ったらいいのでしょうか、
オリジナルとはあきらかに違う、ヘンな言い方ですが、
「グラスロッドじゃないようなグラスロッド」
になったのです。
とてもすばらしいロッドなのですが、このロッドを振ったときに感じる手感はレイピアとはかなり異なるものでした。

このUDグラスの2本は、オリジナルよりも軽く、より敏感に、よりしなやかなロッドになりました。

そのかわり、今の段階ではまだまだ使い手を選ぶ「じゃじゃ馬」ロッドのように感じています。
このUD素材のブランクには、UDの特性に合わせて少しブランクのデザインを変更するとより優れたロッドになる可能性を感じています。
その可能性がある以上、UDグラスの方はもう少し試作を続けようと思います。

ただ、試作を繰り返してもそれがいまのブランクよりもよいブランクになるかどうかはわかりません。
ロッドの設計はデータだけではなく、実際に組み立ててラインを通して振ってみるまで、そのロッドの完成度はわからないからです。

今回の試作では、ガイドにすべて Fuji の最軽量 "TORZITE" ガイドを使用しました。

最初はフライロッドに一般的に使われているワイヤーガイドと同じぐらいの直径のガイドを使っていたのですが、試しにガイド径を落としていってもフライラインの滑りの良さは変わらないので、最終的にリングサイズ4.5の小径トルザイトガイドを使用しています。

そのメリットは、ワイヤーを使ったスネークガイドやカーボロイガイドとは比較にならないほどの軽さと滑りの良さにあります。
デメリットは、700円~1900円というその1個あたりの価格の高さと、伝統的なフライロッドっぽくない見た目を、ユーザーが受け入れられるかどうかです。



Eグラス素材のロッドは、#1 LINE 仕様と、#2 LINE の2本を、このプロトタイプロッドと同じ仕様で製品化する予定です。
ちなみに、どちらのロッドも指定番手プラスマイナス1番のラインは問題なく使えます。
昔の書き方で #0-1-2 LINE、#1-2-3 LINE、と書く方がふさわしいかもしれません。

弊ショップの標準的な仕様の完成品ロッドで、予価は税別本体価格で、58000円程度(スネークガイド仕様)と、63000円程度(トルザイトガイド仕様)を予定しています。
また、ブランクでも販売する予定です。







ブランクのカラーは、フラットブラックの素材の上にトランスルーセントブラウンでコーティングした、微妙で深いブラウンです。