Feb 4, 2019

Alchemy Dharma 603 "OIKAWA" "Leonard Catskill Style" Custom made by Kuramochi Rod



Alchemy Dharma 603 "OIKAWA"

"Leonard Catskill Style"


Custom made by Kuramochi Rod
6' 3P #1 LINE 40g


Alchemy Dharma 603 "OIKAWA" をトラディショナルな「レナード・キャッツキル」スタイルで作りたくなって、その道(・・・ってどの道だ)の第一人者であるクラモチロッドさんにお願いして、細部はおまかせで組んで頂きました。

トランスルーセントブラウンのブランクカラーが昔のレナードスタイルに似合うんじゃないかと思ったのですが、予想通りかっこよく、いい雰囲気で仕上がりました。




鋳物の CFOⅡを合わせるとこんな感じになります。
グリップのサイズは、全長120ミリ、リールシートを合わせても200ミリで、コンパクトでミニマムなグリップ周りがいいでしょ。
オリジナルのレナード・キャッツキルも(フットがごく薄いリールしか入りませんが)こんな感じです。




アクションは、フルフレックスのプログレッシブ。
1番ラインをラインの重みを感じながらごく普通のラインのように扱えるという、実はかなり驚異的な性能のロッドです。
個人的にはショートロッドとしては市場最良の1番ロッドだと思っています。
そこそこ強い風の吹く状況下では、ちょっと強引ですが3番ラインまでなら使うこともできます。

"OIKAWA" とネーミングしてはいるものの、#12~14程度のスタンダードなサイズのフライも十分扱えますので、渓流のヤマメやアマゴ、イワナにも十分使えます。
ロッドがしなやかなので強引な釣りには向きませんが、尺クラスでもスリリングに遊べます。






パーツ類は「いかにもフライロッド」という伝統的でスタンダードなスタイルのものを使っています。

リールシート周りの金具はクラモチロッドさんの自家製、ワンオフのオリジナル。
すこしでも軽くなるように、できる限り薄く作ってあります。
薄いリングは微妙な弾力性があって、リールフットが緩みにくいというメリットもあります。

お値段ですが、高価なトルザイトガイドではなくスタンダードなスネークガイドを使っていますので、標準仕様のロッドと同じ価格にさせていただきます。

Alchemy Dharma 603 "OIKAWA" "Leonard Catskill Style"Custom made by Kuramochi Rod
6' 3P #1 LINE (00-0-1-2 line) 40g
価格:62,000円(本体57,408円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。

※Sold

お問い合わせは下記まで、
alchemytackle@gmail.com












Feb 3, 2019

Orvis Graphite Rods (Orvis Super Fine Graphite Rods) その2

Orvis Graphite Rods (Orvis Super Fine Graphite Rods)についての続きです。


ロッドチューブの変遷。左が発売当時のもので順にアバウトですが、'90年代、'90年代半ば以降って感じです。
このオービスのグラファイトロッドが発売された当時、1970年代半ばの日本では、フライフィッシングをはじめた人のフライキャスティングの技術はまだまだ初歩的なものでしかありませんでした。
そんな状態で渓流へ釣りにいったわけなので、大部分の人はフライラインをあまり伸ばすことなく、どちらかといえば提灯釣りに近いスタイルで釣りをすることになったのです。

そうすると結果的にロッドの先端だけを使うキャスティングスタイルになってしまいます。
オービスのロッドはロッドの全長にわたって曲がるフルフレックスアクションなので比較的ティップトップが太く、先調子のロッドの方が使いやすいロッドの先端だけを使うような釣りには向きません。
当時の釣り人は、オービスロッドのそのドローンとしたアクションがなんのためのものなのかを理解していなかったのです。それゆえに例えばファーアンドファインという5番ロッドに4番ラインを乗せて渓流釣りをする、なんて感じの釣り方をしていました。

そのような人は当時から先調子だったスコットやセージのグラファイトにサッサと乗り換えていったわけです。そうするうちにいつの間にかオービスのグラファイトはフライロッドとして二流であるという評価が染みついてしまいました。
これはオービスのバンブーロッドについてもいえることなのですが、オービス不遇の時代です。

おまけに日本の実際の釣りの現場では、特殊な釣りや釣り場をのぞけば、遠くまでラインを伸ばすことはめったにありません。特に渓流では10m以内での釣りがほとんどでしょう。そのような釣り場ではフルフレックスのオービスはダルいロッドのままで本領を発揮できないのです。

私たちはオービスロッドの本質に気づかないままだったのでしょうね。
それと同じようなことがアメリカでも起こっていたように感じます。
イマドキのハイモデュラス素材を使った先調子のロッドとは違って「全体的に曲がるロッドは、キャスティングがヘタな人にとっては使いにくいダメなロッド」なのです。

日本人は釣り場でろくな魚が釣れないので(笑)キャスティングに練習にいそしむ人が多くその結果としてキャスティングが上手くなって、多くの人にはこの種のフルフレックスなロッドを使える技術が身に付いていたのです。
しかし、いちど出来上がった価値観『古いオービスはスローでダメなロッド』は崩されることもなく、そのうちにこれらのオービスロッドはタンスの肥やしになったり放出されたりと不遇な目に遭うことになり、中古市場でも安値で取引されるロッドとなりました。

でも、これらのオービスロッドを生まれ変わらせる方法があるのです。
といっても改造をするなんてことではありません。
ただロッドの指定番手より重いラインを使うことです。それも思い切って2番手ほど重いラインを乗せてやる(たとえば1番ラインが指定されているワンウエイトに3番ラインを乗せてみる)と、この一連のスローなアクションのオービスロッドの本質が見えてくると思います。

ただその場合、重いラインを乗せておもいっきりの遠投などを試みるとロッドがぶっ壊れるかもしれないので、実際の釣りに使う距離の範囲で試してくださいね。









Jan 31, 2019

Orvis Graphite Rods (Orvis Super Fine Graphite Rods)




Orvis Graphite Rods

といってもこのシリーズはオービス社で最も最初に作られたグラファイトロッドのシリーズで、素材は1970年代から変わらないレギュラーグラファイト(標準弾性24トンカーボン)が使われています。



時代によってデザインがマイナーチェンジされてきましたが、基本的にはバンブーロッド時代からの伝統的なオービスのフルフレックス・アクションを継承しています。





いちばん上のロッドは‘70年代半ばから’80年代初期のタイプ。
2番目の竿がブランクにフレックスレートが書かれて、オス側のジョイントがツルッとした最終型。

最初の頃はオービス社内でブランクまで作っていたのですが、途中からはよくわかりません。個人的にはブランクは外注、もしかするとロッドビルドまでも外注に変わったかもしれないと考えていますが、ロッドのアクション自体は初期から末期までほとんど変わっていないと思います。なかには「アルミ無垢のロッドチューブに赤いラベルの初期型でないと」といわれる方もいらっしゃいますが、コレクションとしてならともかく、釣りに使うにはほぼ同じではなかと思います。

ただ、僕の経験ではごく初期の物(同社のバンブーより高価でしたから気合いが入っていたのでしょうね)以降のロッドには魚を寄せるときに胴ブレがするものがたまにあるので組み立ての精度やブランクの検品基準が落ちたという可能性は考えることができます。




実は、このシリーズのロッドが凄くいいんですね。もう最近のグラファイトロッドはいらないんじゃないかっていうぐらい使い勝手がいい。
もちろん限界的な性能では、データ的には最新のロッドとは比較にならないとは思います。
ただ、いつもの釣りにそんな限界性能を使う場面なんてそうそうないんですよ、まあ、僕の場合はですけどね。
そうすると、性能的にはちょっと「ゆるめ」のロッドの方が気持ちよく使えるのです。

この種のロッドはそんなに軽くもなく、反発力が強いわけでもありません。
でも、ちょっとしたことでは折れたりしない丈夫さがあります。
その理由は、いわゆるローモデュラスグラファイトが使われているのでグラファイト繊維の反発力がイマドキのハイモデュラス素材とは違いそれほど強くないのでブランクの肉厚があるからです。

もうひとつの特徴は、最近の大半のロッドとは違ってロッド全体が曲がります。
これがいいんですね。
このシリーズのロッドをロッドに記入された指定番手で使うと、まあ別にどうということのない普通の釣竿です。
でも、メーカーの指定番手より1番から2番ほど重いラインを使うとまったく別物に変化するのです。
そう、まるでよくできたバンブーロッドやグラスロッドのようにスロースピードのラインをきれいに最後までコントロールできるのです。
素材の硬さが、フライロッドとしてのツボに入っているのだと思います。

こういう使い方に気づいている人はあまりいないとは思いますが(業界の人は知っていても、売り物がないので話さないでしょうしね)この能力は凄いですよ。
いまなら2万円も出せばネットオークションで手に入りますからね。
僕もロッドメーカーなので、この市場価格はちょっと反則だとは思いますが・・・

ただ、このシリーズ、時の流れのなかでかなりモデルの数が増えたのですが、そのどれもが最高というわけでもないのです。
先調子のものでもない限り、極端なハズレはないですけどね。

自社でグラファイトロッドを創るときには、そのベースにしたいロッドです。
ぶっちゃけ、お金があれば市場に出ているロッドは全部買い占めたいぐらいですね。



Jan 11, 2019

ロッドブランクは真っ直ぐなのか・・・?

軽いラインを使うしなやかなフライロッドを作るようになって、どうしても気にかかることがありました。
それはメーカーから届くブランクがまっすぐではなく曲がってるということです。

写真に撮るとこんな感じです。
ガイドを巻いてロッドに仕立てると、気にならないとは思うのですが・・・
曲がってると言えば、確かに先端部の細いところが曲がっていますね。




僕自身は長年バンブーロッドや竹竿を使っていたのでロッドの多少の曲がりは気にならない、というよりも、竿なんて曲がってるものだろう、それがどうした、なんて思っている方なのでまったく気にしていなかったのですが、
そのブランクを買って頂いたお客様から
「ブランクが曲がっているので交換して欲しい」
というクレームが来るんですよね。

で、在庫しているブランクを見てみると今回発注したブランクには本当に真っ直ぐなモノなんて一本もありません。
さすがに気になったのでメーカーサイドに問い合わせてみると、これでメーカーとしての検品は通っているとのことでした。

それには理由がありました。
グラスロッドのブランクはマンドレルという芯金に樹脂を含浸させたガラス繊維のシートを巻き付け、それを炉で過熱して樹脂を硬化させて作ります。
そして樹脂の硬化後に中心にあるマンドレルを抜いて中空のブランクにするわけですが、その焼成されたブランクが常温にまで冷める過程で収縮するので、どうしてもブランク内部で引っ張り合いが生じて曲がるわけです。

前回発注したブランクは#4~5ライン用のブランクだったので、ブランクを巻くマンドレル(芯金)の直径も大きくグラス素材のブランク肉厚もそれなりにあるわけです。
ところが今回製作をお願いしたブランクは#0~3番ライン用のショートロッドなので、マンドレルは細くそこに巻き付けるグラスブランクも非常に薄いものなのです。
直径が大きくて肉厚なブランクはその冷却過程での引っ張り合いがわりと均等になるのでそれほどの曲がりは生じないのですが、細くて薄いブランクはそれゆえにどうしても曲がりが出てしまうのです。

もちろん、なかには限り無く真っ直ぐに近いという優秀なブランクも混じってはいるのですが、それだけを生かして残りを廃棄するとブランクのコストがとんでもなく高価になってしまいます。ブランク1本に10万も20万も出す人はおそらくいらっしゃらないでしょう。
そんなわけで、メーカーが検品の上出荷したブランクですので多少の曲がりに拘らずにすべて製品にすることにしました。

ここでちょっとした裏話なのですが、大きなメーカーで製作しているロッドはこのブランクの曲がりをわかりにくくするためにスパインを考慮することなしにガイド位置で誤魔化している場合が多いのです。
ブランクが曲がっている方にガイドを並べるとガイドの重さでロッドが曲がっているように見えますからね。

うちの場合はスパインを優先して組み立てるので、曲がりは放置したままです。
特別な料金を2~30万円ほど頂ければ真っ直ぐなブランクをお出ししてもいいのですが、そうなると残りのブランクは売るわけにもいかず廃棄ということになりますよね。
それはどうなんだろうとかなり悩むところなので、買って頂いたお客様におまけとして差し上げることになると思うのですが、考えるのもめんどくさいのでそんなお客様はいないということにしておきます(笑)

このブランクの曲がりにはロッドメーカーもいろいろと対策を考えていたようで、たとえばカスタムロッドの大家である、あのラス・ピークは電熱球を使ってブランクを暖めて曲がりを修正していました。その写真が残っています。
他にもヘアードライヤーを使って暖めて曲がりを直すことも可能ですし、そうされているビルダーさんがいるのも承知しています。

ただ、ロッドブランクに使われている熱硬化エポキシ樹脂を再度暖めて柔らかくして曲げ直すことがロッドにとっていいことなのかどうかには疑問もあります。
このブランクを製作して頂いているメーカーの技術者さんは、強度の問題からそれにはあまり賛成できないようです。
また、夏の高温になった車内にロッドを放置していたらどうなるのだろうという疑問もありますしね。

そんなわけで、ブランクがすこしは曲がっていてもご了承頂きたい、というお話でした。




Dec 15, 2018

"603 UD Glass Prototype 2" 6 feet 3P #2 LINE For Sale

"603 UD Glass Prototype 2"  6 feet 3P  #2(1-2-3) LINE 

For Sale:47,000円(税、送料込み価格)1本限定





このロッドはこの秋の発売した3種類の6フィートロッドからは除外したのですが、個人的には今回の6フィートロッドを製作する過程で作った何種類ものプロトタイプの中ではいちばん好きなものでした。

製品としての発売をためらった理由は、このロッドはUD-GLASS独特の軽くしなやかな、そして粘りをもった負荷に敏感な特徴がよく出た玄人好みというか融通無碍なロッドですが、それゆえに性格がすこしわかりにくい、ある意味むずいロッドだったからです。
使いこなすことができれば、それこそオールラウンドに使えるおもしろいロッドなのですが、ラインへ掛ける負荷をスムーズかつ自在にコントロールできる技術がないとその特徴を引き出せない可能性があるのです。

身体がラインへ加える負荷とその重みをつねに感じながらフライラインとロッド、そして手首から腕を一体化したムチとしてラインを伸ばしてフライを置いていくようなキャスティングを要求するロッドで、「物を投げる」といった感覚のキャストでは使いこなせないロッドだと思います。
その反面、使いこなすことさえできれば普通のキャスティングからサークルキャストやアンダーループやスペイ的なキャストなど、キャスティングのスタイルを選ばずにおもしろいように自在にラインを操れるロッドでもあります。




対象魚や釣り場と釣り方の状況に応じて #2ラインを中心に前後1番のフライラインは十分使いこなせるロッドです。
ショートロッドに慣れた方なら、通常の渓流域ではこのロッド1本ですべてをこなせるということもできます。
また、河川域のオイカワや湖沼のブルーギルなどの釣りにも『硬すぎず、柔らかすぎず』に十分楽しめる強さのロッドだと思います。






"alchemy 603 UD Glass Prototype 2"
6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) :フルトルザイトガイド仕様 ※45g
標準仕様完成品価格:62,000円(本体57,408円+税)
トルザイトガイド仕様:67,000円(本体62,038円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。


開発テストに使用した個体なので、
お値段はこの1本限定で特別価格の47,000円(税、送料込み価格)です。
※傷等もなく、ほぼ新品同様です。



Oct 18, 2018

Alchemy Dhyana. The second test is also completed.

alchemy dhyana 603 type 2 

スペックは、 6ft 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g

でどれぐらいのサイズの魚をキャッチできるか、荒雄川と会津大川のニジマスで試してみました。


ドライフライへの反応が悪かったので、インディケーターを使ったニンフのリグをキャストするためにフライラインはDT-3-Fを使用しました。

インディケーター+ウエイト+ビーズヘッドニンフ+リードフライという長いリグをショートロッドで縺れないようにキャストするために、キャスティングは通常のオーバーヘッドキャストやロールキャスト系ではなく、サークルキャスト系のいわゆるベルジャンキャストを主としています。




一連の釣りの過程を繰り返しているうちで、このロッドは6フィートのショートロッドとは考えられないほどラインのメンディングがしやすいことがわかりました。
ロッド全体がしなるように設計したアクションとグラスブランク特有の低弾性が生み出すラインコントロール上でのメリットでしょう。

リグですが、最初は5X(0.8号)のティペットを使用しましたが、居付きのマスの流芯に入ってのランを強引に止めようとして切られたので、以降は4X(1号)を使っています。




もともと2番ライン用に設定したロッドなので、このようなマスを釣ることまでは考えていなかったのですが、ロッドの強度とバットのトルクがどうなのかを実地で検証するためにあえてニジマス釣りに使ってみたところ、想像を超えたすばらしい結果を得ることができました。
Eグラス自体はかなり前からある旧い素材なのですが、最近の樹脂とのコンポジットによる反発特性はショートロッドには最適なものです。





特筆すべきは、しなやかにグリップの中まで曲がり込んでも粘り続けるトルクと、そのときにロッドにブレが生じないので、魚のコントロールがしやすいところでしょう。

ティペットを4Xに変えてからは、おそらく掛かりどころが悪くてフックオフしたケースがいちどあったものの、18番のフックでこのサイズのニジマスを7匹連続してランディングしていますので、硬質で高反発なグラファイトロッドとは違って、このグラスロッドは魚の動きに柔軟に追従する反発特性から、魚の暴れでフックを弾いたり、フッキングした場所の針穴が大きくなって外れたりというケースがかなり少なくなるようです。

ロッドが短く軽量なので体力的な負担も軽く、軽快に釣りができることもメリットでしょう。

このロッドは結果的にライトタックルの短いロッドで大物を狙うという、リー・ウルフ的な釣りに最適なロッドとして出来上がったようです。
かといって、昔の「ファーロー・ミッジ」や「ガルシアのリー・ウルフロッド」、「ペゾンのフェザーウエイト」のように、パワーを優先した小負荷では曲がりにくい、たとえるなら棒のように感じるロッドではなく、あくまでも「しなやかな2番ロッド」だというところに現代のグラスロッドの進化を感じて頂けると思います。

同じグラスロッドとはいえ、素材も、ロッドブランクを設計、製造する技術も、あきらかに進歩しているのですから。




"alchemy dhyana 603" type 2 :
6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g

標準仕様完成品価格:60,000円(本体55,556円+税)
トルザイトガイド仕様:65,000円(本体60,186円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。
ブランク価格:23,000円(本体21,297円+税)


Aug 7, 2018

alchemy dhyana 603 & Alchemy Dharma 603 "OIKAWA"


プロジェクトは、1本の "GLASTECH RAPIER" から始まった。







Alchemy Tackle Glass Rods の新製品は6フィート3ピースのグラスロッドです。
それも微妙にスペックの異なった3種類を同時に発売することにしました。

アルケミータックルのような小さなメーカーにとっては同じ長さでよく似たスペックのロッドを同時に発売するなんて、販売戦略から考えるとバカみたいな話なのかもしれません。
本来は6フィートのグラスロッドを1本発売するつもりで試作していたのですが、試作したプロトタイプブランクをロッドに組み上げて、それぞれについてキャスティングのテストをして試釣を繰り返しながらブランクの取捨選択を進めていく過程で、どうしてもこの3本が自分で使うために欲しくなってしまったのです。
そんなわけで、無謀にも同時に発売することになったのが以下の3本です。



alchemy dhyana 603 type 1 : 6' 3P #1 LINE (0-1-2 line) ※44g
alchemy dhyana 603 type 2 : 6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g


alchemy dharma 603 "OIKAWA" type 1 : 6' 3P #1 LINE (00-0-1-2 line) ※38g


ここからは、これら3本のロッドを開発するに至ったその経緯の話です。

その発端は私が1本のグラステックを手に入れたことに始まります。
そのロッドは、6フィートのレイピアで、おまけにかなりレアなワンピースロッドでした。
ブランク上に 60 1 1.34 との表記があるので、6ft 1pece 1.34oz という意味でしょう。
適合するラインは実際に使ってみたところでは#2~#3という感じでした。
これが実にいい、ステキなアクションなんですよね。

グラステック "GLASTECH" とは、かの名匠ラス・ピークがグラスロッドの製作を止めた後、グラス・フライロッドの頂点に君臨していたデニス・フランキー("Dennis Franke"が本名ですので、デニス・フランクの方がいいのかも)のブランドです。
そのグラステックも2000年代の半ばにはグラスロッドの製作を止めています。
そのグラステックには レイピア "Rapier" と パラメトリック "Parametric" という2つのシリーズがあって、パラメトリックはパラボリック寄り、レイピアはプログレッシブ寄りのセミパラにそのアクションは設計されているようです。
私は基本的には4番以上のラインを使うロッドでこそパラボリックアクションはその本領を発揮すると考えていますので、2~3番という軽量なラインを使うこの6フィートのレイピアは、私にとってまさに理想のロッドでした。
ただ問題は、このロッドはワンピースなので持ち運びや保管にかなりの難があるということです。

シンプルに考えると、このロッドを3本か4本にぶった切ってフェルールを付けてマルチピース化すればいいのですが(デニス・フランク自身も、当時のブランクの製法から考察すると、ワンピースのブランクを任意に切断してマルチピース化しているはずです)、いまとなってはユーズド品しか手に入らないレアなロッド、それも15万~20万というべらぼうな価格のロッドを切断することにはさすがに躊躇しますよね。

そこで、これまでアルケミータックルとしてグラスロッドを開発した経緯と、今回もあたらしくロッドを開発するための心強い協力を得られたこともあり、このレイピアのコピーロッドをマルチピース化して作ろうという計画が始まりました。

グラステックのブランクは振ったときの感触から判断するとEグラス素材のはずです。
そこでレイピアのコピーを製作する素材としてオリジナルと同じEグラスを選択し、サンプルと同じベンディングカーブが得られるようにそのテーパーと肉厚を設計するわけですが、そこはオリジナルからのデーターの取得から、あらたに3ピースのブランクとして設計を起こすまで、そのすべてをプロの職人さんにおまかせしています。

オリジナルのサンプルがあるロッドとはいえ、新にいちから設計を起こす手間はまったくのニューモデルを作る場合と同じです、いや、オリジナルのデータを拾い上げるという手間が余計に掛かるのですね。そこでせっかくデータを拾い上げるのでそれを有効に利用するために、この1本のロッドをベースとして複数のモデルを試作することにしました。

ひとつは、オリジナルとできる限り同じ物を3P化したブランク。
もうひとつは、ロッドの適合負荷をライン番手で1番落としてより繊細にしたブランク。
これらの2種類のブランクは、オリジナルのグラステックと同じEグラスを素材としています。そしてバリエーションとして、上記のブランクの素材をEグラスからUDグラスに変えたものが2種類。合計4種類のブランクの試作を同時進行させたわけです。

一号試作でOKを出せたブランクや、求めるイメージと違って試作を重ねたブランクがあるのですが、結果的に自分の中で製品化するだけの価値観を持ったブランクが4種類出来上がりました。

603 E Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
603 E Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE

603 UD Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
603 UD Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE

その中で、レイピアと同質のフィーリングを持ったブランクはやはり同じ素材であるEグラスを使った2種類のブランクでした。オリジナルと同じEグラス素材をブランクに使ったブランクは、オリジナルのレイピアをスリーピース化したと言ってもいい、すばらしいロッドとして出来上がりました。グラス素材独特の重さを持ったしなやかさでラインをコントロールするロッドとでも言えばいいのでしょうか。

素材が変わると同じテーパー設計をしても、振ったときにあきらかに違うフィーリングを持ったブランクが出来上がってくるのです。
素材が違えばそれを使った製品も変わる。当然といえば当然のことです。
UDグラスを使った2本は、オリジナルよりも軽く、より敏感に、よりしなやかなロッドになりました。こちらはしなやかに撓るムチのようなフィーリングといってもいいかと思います。

この4本の中でどれを製品として市販するかには悩みました。
私が持っているオリジナルのレイピアそのものといってもいいのは、
603 E Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE です。
それをベースにラインにして1番手パワーを落とした
603 E Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE も、レイピアに1番ロッドがあればこんな感じだろうな、と思わせてくれるロッドです。
この2本は、オリジナルに敬意を払うためにも製品化して市場に出そうと決めました。

問題はUDを使った2本です。
かなり悩んだ末、よりしなやかな方を製品化することにしました。

パワー的には強い方から、
603 E Glass Prototype 2”  6 feet 3P  #2 LINE
603 E Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
603 UD Glass Prototype 1”  6 feet 3P  #1 LINE
と並びます。

Eグラスの#2は#3ラインも十分使え、渓流や源流域の釣りにも最適なオールラウンダー。
Eグラスの#1は河川から渓流域までの繊細な釣りに。
UDグラスの#1は、0番ラインまでが実用範囲でしなやかだけどパワーもある不思議なフィーリングを持っています。
ただ、アクションは言葉では説明しづらいので、実際にラインを通してキャストしたり、実際の現場で使っていただくことが一番だとは思います。

特筆すべきは、この3本はどのロッドも特にテクニックを必要とすることなしに軽量ラインをごく普通のフライラインのように扱えるということです。


今回新しく作ったEグラス素材のロッドには、サンスクリットで「ディヤーナ」 "dhyana" と名付けました。漢字で書くならば『禅』です。

UDグラス素材のロッドは、これまで通り「ダルマ」"Dharma" です。



"alchemy dhyana 603" type 1
6' 3P #1 LINE (0-1-2 line) ※44g


"alchemy dhyana 603" type 2 :
6' 3P #2 LINE (1-2-3 line) ※51g

標準仕様完成品価格:60,000円(本体55,556円+税)
トルザイトガイド仕様:65,000円(本体60,186円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。
ブランク価格:23,000円(本体21,297円+税)

"Alchemy Dharma 603 OIKAWA" type 1
6' 3P #1 LINE (00-0-1-2 line) ※38g

標準仕様完成品価格:62,000円(本体57,408円+税)
トルザイトガイド仕様:67,000円(本体62,038円+税)
※オリジナルの竿袋が付属します。
ブランク価格:25,000円(本体23,149円+税)


※基本価格のカスタムメイドロッドで使用するパーツは、下記の通りです。



グリップ : フロアーグレードコルク(1/2インチ×10個、ロッドエンドはハードラバー)
リールシート : オリジナルアップロック         
                     金具は「中島保美鋳金工芸美術研究所」製、ブロンズ
ラッピング : 西陣正絹糸


※カスタム仕様は、別途お見積もりさせて頂きます。
※"alchemy tackle" (トルザイトガイド)標準仕様の自重です。