Fenwick fiberglass fly rods FF75
Fenwick FF75 のシリアルナンバー"E"番(1964-1965)と"J"番(1969-1970)
どちらも約50年前に作られた、フェンウィック社製のグラスファイバーフライロッドです。
ブランク上に表記されたスペックは、モデルナンバーと長さ、自重は同じですが、
ブランク上に表記されたスペックは、モデルナンバーと長さ、自重は同じですが、
適応ラインの表示が"E"番(1964-1965)が No. 5-6、"J"番(1969-1970)は No. 6 と異なっています。
フェンウイックのフライロッドは1972年から品番が三桁ナンバーになる第三世代へと移行するのですが、その時に7フィート6インチの"FF75"は、5番ライン用の"FF755"と、6番ライン用の"FF756"の2つのモデルに細分化されることになります。
その"FF75"ですが、同じ"FF75"という品番のロッドでも年代によって外観のディティールだけでなくアクションもかなり異なっていました。
その"FF75"ですが、同じ"FF75"という品番のロッドでも年代によって外観のディティールだけでなくアクションもかなり異なっていました。
"E"番(1964-1965)と"J"番(1969-1970)との外観上のいちばんの違いは、トップガイド以外のガイドの数が7個から8へ個と1個増えたこと、そしてフェラライトフェルールのコミの長さの違いです。
紙テープを巻いている部分までが、メスフェルールに入ります。 |
写真でわかるように初期モデルの方が後期の物よりもコミがかなり長くなっています。
技術的な進歩でフェルールのコミが短くてもロッドの強度が保てるようになったからだと考えられます。
他にも、フェンウイックのワシのマークのロゴが異なっていたり、グリップの上に巻かれた飾り巻きの糸が太くなったり、ブランクに貼られたデカールが違うしラッピングの色も微妙に異なるなどの違いがあり、グリップ周りもグリップチェックが金属から樹脂へと変わっていたり、リールシートもよく見ると違う物が付いています。
そしてブランク自体の色や光線の透け具合も微妙に異なります。
他にも、フェンウイックのワシのマークのロゴが異なっていたり、グリップの上に巻かれた飾り巻きの糸が太くなったり、ブランクに貼られたデカールが違うしラッピングの色も微妙に異なるなどの違いがあり、グリップ周りもグリップチェックが金属から樹脂へと変わっていたり、リールシートもよく見ると違う物が付いています。
そしてブランク自体の色や光線の透け具合も微妙に異なります。
ロッドのアクションもこの2本では異なっています。
基本的にプログレッシブなアクションなのですが、"E"番と"J"番とを比較すると、前期の"E"番はよりスローなテーパーデザインになっています。言い換えると後期の"J"番は"E"番よりもファースト(先調子)気味なベンディングカーブを持っているということです。
これが‘70年代初期に第三世代の"FF755"や"FF756"に更新されると、よりファースト(先調子)なアクションへと変化していくわけです。
ほぼ同じ長さと番手のモデルが時代の変遷のなかで、アクションはよりファースト方向へと向かっていくというわけですね。
アメリカンのフライロッドは時代が進むのにあわせて徐々にファーストアクション化していくのですが、そのあたりの理由は、ぜひとも設計者のジム・グリーン氏に伺ってみたかったところです。
実際にフライラインを通して振り比べてみると、新しい時代のファーストなロッドよりも、古い時代のスローなアクションを持つロッドの方がキャストフィーリングがよりスムーズに感じられます。
これは古いフェンウイックのロッドをいろいろ使っているうちに気づいていたことで、うすうす想像していたことでもあるのですが、実際にはちょっとした驚きでした。
ロッドのファーストアクション化は、僕にとってはロッドの進歩だとは感じられないということなのですが、その理由もなんとなく想像することが出来ます。
ちょうどこの当時、アメリカではフライフィッシングが爆発的に流行りだした頃で、フライフィッシングをする人の数も急激に増えていきました。その中で道具に求められたものは使いやすさでした。
使うのに技術や経験が必要な物よりも初心者でも簡単に使えるものが開発されていったのです。フライロッドのファーストアクション化は、まさにその流れの中で生まれたものだと思います。
ファーストアクションのフライロッドはルアーを投げるようなやり方で強引に振っても、なんとか使い物になります。まさに、フライラインを投げるわけですね。
そのかわり、ロッドでフライラインをコントロールして、フライラインをスルスルと伸ばしてポイントへフライを運んでいくような振り方には向きません。
昔の古いロッドを使っていておもしろいのは、どうしてこんなアクションになったのかと考えるうちに、このような時代の流れをも感じることができるというところにもあります。
たとえば、最新のクルマやオーディオやカメラが必ずしもおもしろいものではない、ということにも通じるのではないでしょうか。
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